















宋邹邹 SONG Zouzou "生長" 陶土
薄く延ばした水粘土を上下からそっと触ることで生まれる自然な曲面に惹かれ、手の感覚に委ねてひたすら成形した。


中山佳保子 NAKAYAMA Kahoko "dan-pole" ダンボール、回転台
円形にカットしたダンボールを400枚、少しずつずらしながら重ねた。段ボールの穴が鑑賞者の視点に対して正面に向かう瞬間のみ向こう側が見える。遠くから見ると、より多くの面積が透明に見える。

疋田奈菜 HIKIDA Nana "ドラミング" ドラム缶 (※動画後半に音あり)
ドラム缶をひたすら叩いた。ドラム缶を簡単に凹ませる方法もあるが、効率よりプロセス(充実感)を重視した作品。ドラム缶は用途を変えて数回使い回すものなので塗装が複数色重なっており、叩くことで塗装が剥げて過去の様々な色が確認できる。







高橋さあや TAKAHASHI Saya "クーピーとジェッソと木製パネル" クーピー、ジェッソ、木製パネル
「一切ストレスのない制作」をテーマにした作品群。鑑賞対象とされることを意識せず、気の向くままに線を描くことでどんなものが生まれるのかを確かめた。作業も複数枚平行で進め、描きたいタイミングに委ねて描き進めた。


今村明日香 IMAMURA Asuka "狭間" 鏡、アクリル板、プラントビーズ
高さ3cm、幅・奥行き共に90cmの扁平な空間の中にどんな立体表現ができるのかを試行した。上下に鏡を貼ることで僅かな空間を広く見せ、中に透明な球体を配置することで映り込みが増大するように工夫した。環境デザインを専攻する学生のためか、建築模型を思わせる平たい空間の中で表現の可能性を探る姿勢が興味深い。








佐々木鏡花 SASAKI Kyoka "アッサンブラージュの集合による効果の実験" 紙、アクリル絵具、木材、ガラス、ほか
コーネルの箱に着想を得て、無数の箱を使って表現した時にどのように見えるのかを試行した。作者にとって思い入れのある品々をそれぞれ封入し、箱の内側の面にもオブジェに見合ったコラージュや塗装を施して多様なイメージを生み出している。



小野寺明音 ONODERA Akane "紙遊びの産物" ケント紙
ハーフカット(紙にカッターで浅く傷をつけて折る技法)により得られる明快な稜線の美しさと、折るときの感触が好きで、折りの作業がたくさん必要になる形体を選んで制作した。




小形麻依 OGATA Mai "popopopo,pompom" スズランテープ、輪ゴム
小学校の運動会などで応援用に用いられるポンポンを多数作成して敷き詰めた。テープを細かく引き裂く作業には、犬の毛をブラッシングするスリッカーブラシを研いで使用した。

村田美文 MURATA Mifumi "Polished cans" アルミ缶、スチール缶
缶の側面をひたすら磨くことで印刷を剥ぎ、金属を露出させた。缶の側面から沈み込む部分はあえて磨かず、わずかにラベルを残した。もとの商品の気配が残ることで、磨かれた部分とのギャップが際立つ。


諸川もろみ MOROKAWA Moromi "たゆたゆ" 透明ビーズ、テグス
テグスに透明ビーズをひたすら通し、展示会場を周回させた。テグスもビーズも透明で、形状も細く繊細なため視覚的には控えめな印象だが、作品を成立させるための膨大な作業量に気が付くと作品の見え方が一変する。








山崎祥香 YAMAZAKI Yoshika "TOGE消し" 消しゴム
細かい部分を消すことに特化した消しゴムの商品は複数あるが、いずれも使えばすぐに先が丸くなってしまう。そこで、尖った消しゴムを無数に用意して、いつでも細かい部分をすぐに消せる状況を整えた。

青木航大 AOKI Kodai "Chips" 鉛筆の削りカス(1ダース分)
鉛筆1ダース分をまるごと鉛筆削りで削り、元のケースに封入した。中身の成分は全く変わっていないが、形を置き換えることで本来の用途を全く成さないものになっている。





笠原萌 KASAHARA Mei "figure" キャンバスにアクリル
もともとは卒業制作として制作された作品群だが、本展のテーマである「過剰性」にも通ずる要素があるため展示した。作品コンセプトについてはこちら。

平面構成演習、平面構成総合演習 優秀作品


