課題:S10号(一辺53cm)の木製パネルを基底材とし、素材の活用法やレイアウトを実験しながら新しい表現を探る。画面表面から10cmまで活用して良い。
基本的に同じテーマで3度制作し、少しずつブラッシュアップする。

洋金箔にアイロンで熱を与え、変色する作用を活用した表現。熱を当てる時間に応じて深い緑色に変化する。前作からの発展として、中心から外側に向かうロの字の区画ごとに熱の与え方を変え、バリエーションに富んだ表情を得た。

ラベルシールに新聞の印刷をモノクロで転写し、これを層状に重ねることで得られるランダムな図像を生かした構成。前作と違ったアプローチを模索し、今回は新聞のテレビ欄を集めて活用した。同じ新聞社のテレビ欄を重ねているため列の幅は一致しており、一定の秩序の中にランダムな要素が適度に含まれている。

前作では和紙の縁に絵の具を染み込ませたパーツのみで構成していたが、今作では内部まで塗りつぶしたパーツも加えることで、より変化に富んだ重なりの表情と空間性が生じた。パネル側面まで和紙を巻いているため、物質感のある表現となっている。

二股に分かれた枝をコンパスに見立て、一方の先端に絵の具を盛り、もう一方をパネル中心に刺して回転軸として円弧を描いた。葉の有無や枝先の形状により様々な表情が生まれている。一つひとつの円弧はぎこちなく歪んでいるが、円の中心を揃えることで一定の秩序を確保し、不思議なリズムを生じている。

マスキングテープを立体的に張り巡らせる構成。前作では立体的に交差させるきっかけとなる凸部の木材がやや目立っていたが、今作では周囲4辺に同じ高さの白木を取り付けることで、均質化して目立たないように仕上げた。

レジ袋による構成。指で伸ばすことで得られるシワの表情を生かした。今作では画面全体に緩やかな起伏が生じるように構成し、よりバリエーション豊かな陰影の表情を得ることに成功している。

蝋による構成。中心から外側に向かって黄色から赤に徐々に変化するよう配色している。表裏をひっくり返した状態で蝋を流し込んで成形するため、完成するまで作品表面の様子がどのような表情になるか分からない。

白い葉脈標本を作成し、黒の背景に重ね合わせることで透過性を強調した。葉の中央を通る最も太い葉脈を一直線上に連なるように並べることで、等間隔の白い罫線を表現している。この罫線から上下斜め方向に走る葉脈の表情や、面の重なりによって生まれる黒から白(グレー)へのやわらかな変化の様子が面白い。

デカルコマニーの技法をヒントにした表現。絵の具ではなく、ボンドと白ジェッソを混ぜたものを使っている。これをパネル全体に塗り、一枚の大きな紙で覆って密着させた上で、すぐに剥がして模様を生じさせた。

中空のポリカーボネート板に保冷剤と絵の具を混ぜたジェル状のものを注入し、両側からあふれないよう接着剤で蓋をした。同じものを2枚作成し、90度傾けて両方を貼り合わせ、透過による混色を活用した表現を試みた。「中空の列が並んだ透明な構造」と捉える着眼がユニーク。

風船玉を画面上にたくさん並べ、これを割ることで得られる形を活用した表現。隣り合う風船が接触して一部融合するため、割った時に予想外の形状が生じる。重なり合う部分から色の濃淡が生まれる点も面白い。画面全体の配置のバランスを制御しきれなかった点が悔やまれるが、着眼が優れている。

釣り用具のガン玉を活用した点の構成。水平に張った細いテグスに固定することで、パネル表面から浮いているように見える。影も構成要素となるため、光の加減によって異なる表情を見せる。

無色の蝋とオイルクレヨンを溶かして固めたユニットを100個並べた。各ユニットは中央とその周りで異なる2色になっている。作り方としては、まず中央の部分を細長い柱状になるように成形する。次に、これを立方体のシリコン型の中央に立て、隙間に溶かした蝋を流し込む。

ラベルシールに新聞の印刷をモノクロで転写し、これを層状に重ねることで得られるランダムな図像を生かした構成。前作から発展し、新聞の下部に並んでいる本などの宣伝欄を集めて活用した。一見無秩序な配置に見えるものの、よく見ると水平・垂直の枠線が縦横に走っている様子が分かる。

洋金箔にアイロンで熱を与え、変色する作用を活用した表現。熱を当てる時間に応じて深い緑色に変化する。前作からの発展として、下地材として和紙を貼った場合の反応を調べた。前作に比べ黒い部分が減ったことでコントラストが弱まり、比較的穏やかな表情になった。

入浴剤による色彩表現。固形の入浴剤を適度に砕いて布の上に置き、水をかけて溶かす。加えて、粉末状の入浴剤を撒いて水をかける。これを繰り返して染めた布をパネルに固定した。色が濃い部分は、固形の入浴剤による部分。

マスキングテープによる半立体表現。前作の平面表現から発展し、「貼る部分」と「浮かせる部分」の両方の表情を取り入れた。

コンビニの買い物袋を活用した表現。袋をそのまま使うのではなく、指で伸ばして癖をつけたものを貼り付けた。

和紙の縁に絵の具を染み込ませ、輪郭だけが浮かび上がるパーツを作成し、これをランダムに重ねて構成した。前作よりも薄い和紙を活用し、長方形の要素もやや縮小した。配色も、鮮やかな組み合わせを試した。

赤、青、黄、緑、白の紙粘土を層状に重ね、そこにシャワーによる水圧を与えて内部の色を露出させた。

ファスナーを活用した構成。前作とは異なり、全て同じ色(クリーム色)のファスナーを使用し、開いた部分から異なる色が覗くように構成した。

釣り用具のガン玉を活用した点の構成。水平に張った細いテグスに固定することで、パネル表面から浮いているように見える。影も構成要素となるため、光の加減によって異なる表情を見せる。

無色の蝋とオイルクレヨンを溶かして混ぜ、市販のチョコレートの型に入れて固めた。色はグラデーションになるように調整して配置している。

洋金箔にアイロンで熱を与え、変色する作用を活用した表現。熱を当てる時間に応じて深い緑色に変化する。これを帯状に並べたものを交互に配置した。

厚さ約10mmの板の中心に大きめのハンマーを振り下ろして穴をあけ、裏面を表にして凸部を強調した。合板を構成する層が無秩序に剥がれることで、様々な色やテクスチャーが現れる。

緑色のファスナーをグラデーションになるように並べて縫い付け、チャックを開けることでパネルの塗装面(黒)が見えるように構成した。ファスナーの開口部から覗く黒い色面は布のヨレによって緩やかな波型のカーブを描き、画面にリズムを与えている。

ラベルシールに新聞の印刷をモノクロで転写し、これを層状に重ねることで得られるランダムな図像を生かした構成。意図しない形の融合や粗密の緩急が気持ち良い。

マスキングテープによる平面構成。格子状に張り巡らせる際、帯の前後関係を様々に変化させることで画面内を単調にさせない工夫をしている。マスキングテープの透過性により、わずかな空間を感じさせる。

和紙の縁に絵の具を染み込ませ、輪郭だけが浮かび上がるパーツを作成し、これをランダムに重ねて構成した。全てのパーツは長方形になるように破り、縦長に統一することで垂直方向に視線を誘導する。

葉の葉脈のみを抽出し、色を染み込ませて乾かしたものを貼り付けて構成した。

スチレンボードの片側にミラーシートを貼り、これを画面に立てて光を反射させた。光源の種類や位置によって見え方が大きく変わる作品。

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