表現の拡張展2024:紙箱
会期:2/6(火)〜9(金)10:00-17:00(最終日は15:00まで)
会場:筑波大学総合研究棟D棟1Fオープンギャラリー

 表現の拡張展は「実験造形演習(学群生対象)」「平面・立体構成演習(大学院生対象)」履修者による授業成果展です。設定されたテーマから着想を得て展開を探ることで、表現の可能性を切り拓くことを目的としています。過去に設定したテーマには「10 点組作品」「黒一色」「S0 号」「発注」「ジョイント金具」などがあります。 
 今年のテーマは「紙箱」です。既製品の紙箱をよく観察し、材質・形状・配色等から着想を得て作品を展開してもらいます。紙箱は特定の品物を梱包するためにちょうど良い大きさと機能性を持つように緻密に設計されているものもあれば、ギフトボックスのように一定の汎用性を意識して仕上げているものもあります。どのようなタイプの箱に注目してアイデアを練るのかによっても展開は変わるでしょう。実際に手に取ってつぶさに観察しなければ認識できない僅かな隙間やズレ、摩擦やハリなどの微妙な要素もあり、そこから発想が膨らむこともあります。身近で安価な素材だからこそ、比較を通じて多様な構成要素を分析的に捉え直すことができ、観察眼を磨く訓練にもなります。
 鑑賞の際は作者が紙のどんな性質に注目したのか、箱のどんな特徴に注目したのか、読み解きながらご覧頂ければ幸いです。
 上浦佑太(芸術系・構成領域)
大久保智子 (博士前期1年)「geometric net」 紙箱、ラッカー サイズ可変  ※都合により展覧会には出品できなかったため、別途撮影して追加掲載。
紙箱を展開し、組み立てた時に外側になる方の面にグレー(または赤)のラッカーを吹き付け、これを箱状に組み立てて全方位から白のラッカーを吹き付ける。再度平面状に広げると、白のラッカーが届かなかった部分にグレー(または赤)が残り、展開図を2色で塗り分けた構成が得られる。
箱の展開図の多様性と美しさを生かしつつ、これを一定のルールで2つの領域に分割したものを並べて展示することにより、統一感を保ちつつメリハリのある色面のリズムを生み出した。組み立てられた箱のどの部分が外部に露出しないのか一目で分かる点も興味深い。
1/2(スリーブ箱の内箱)
1/2(スリーブ箱の内箱)
2/2(スリーブ箱の外箱)
2/2(スリーブ箱の外箱)
白ラッカー吹き付けの様子
白ラッカー吹き付けの様子
左:白ラッカー吹き付け後 / 右:白ラッカー吹き付け前
左:白ラッカー吹き付け後 / 右:白ラッカー吹き付け前
岡平萌「表裏一体」
矢作百花「Folded cake boxes」
佐藤美空「でこぼこ」
飛松はる乃「接続」
杉田安良「箱と砂山」
久々津寿基「軌跡」
佐藤晴日「挟」
今関華「Kiriさん」
今関華「破り箱」
和田悠「ひのうごき」
講評会の様子
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